2018年9月1日土曜日

再録 「もののけ姫」を読み解く①(全2回)

アシタカ【風となって疾る少年アシタカ】(前半)



初出『別冊 COMIC BOX vol.219978

1 件のコメント:

  1. <池田憲章Facebook9月2日転載>
    私は、マンガ情報誌のコミックボックスに風の谷のナウシカやアキラ、機動警察パトレイバー、魔女の宅急便、ホーホケキョとなりの山田くん、もののけ姫と、何回か劇場アニメの評論を才谷遼編集長から連絡があって、書いているのだけど、それは大半がSOSの依頼の電話だった。いろいろな人に評論を頼んだら、思いのほか否定的なニュアンスが多いので、褒めるタイプの文章を書いてくれないかな? という依頼で、誌面のバランスが取れないというのだ。アキラなどは、藤田尚さんがもうひとつという評価でマンガ評論家は戸惑っている人がほとんどだった。新しいスタイルとアプローチには、日本のたいがいの評論家は、? という評価が多いのだ。例えば、B級映画を押した人たちは、映画評論の新鋭の小説の読み巧者や身銭で映画を見ていた映画ファン、アニメをモダンな現代映画の戦列に加えたかったデザイナーや文化人と、映画評論の門外漢が1960年代から、論陣を張って長く戦い、映画の評価を変えて来た成果だった。アニメを普通の映画の1ジャンルと見てくれる人がどんなに少なかったか‼️ 宮崎駿監督の劇場アニメですら、日本テレビのテレビ放送でお茶の間に何度も流れることで普通に面白いという魅力がわかってもらえるようになっただけで、紅の豚あたりまでは、知る人だけが気づいていたマイナーな映画作家だった。もののけ姫も、角川書店に移動して、徳間書店を離れていたころだけど、誰も正面から褒めないんだ、と才谷遼編集長から電話があった時、なんにも知らないけど、アニメージュでチラリと読んでいたコメントの印象では、そんなレベルのはずはないだろうと思い、最後の試写会に駆けつけて、大満足して、アシタカを中心にして文章をまとめあげた。同時に製作されていたのが、劇場のエバンゲリオンで、そちらの方がはるかにわかりやすく、時代の気分にマッチしていたのだ。でも公開されると、もののけ姫は、わからないなりにもう一度見たくなり、リピーター続出で、社会現象となって、10代のエバンゲリオンと20代後半から30代の働いていた若者の客を集めていたもののけ姫と、ふたつの映画がある人たちの心の乾きと何かを満たしている姿は、感動的ですらあった。池田憲章のアニメメモランダムに、そのもののけ姫についてのコミックボックスの文章を再録してある。リアルタイムに書いたもののけ姫の評論であります。(^。^)

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